OWV 4thシングル『GetAway』を聴いて快哉を叫ぶ夏に未来がある

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吉本興業所属の4人組ボーイズグループOWV(オウブ)が2021年7月28日にリリースする4thシングル「GetAway」がこのご時世、思うように外出も出来ず”夏の楽しみ”を感じ取れずに日常を生き抜く全ての人に贈りたい最高サマーソングすぎるので今回も個人的”ココが超スキ!”ポイントを書いていこうと思います。

 

今年の夏はOWVのGetAwayを聴いて最高サマー間違いなし!パワー!

 

 

 

ココが超スキ!①

アッパーすぎない涼やかな夏色おしゃれサウンド

 

今回のシングルクリエイティブコンセプトは“夏の一日”。
M-1には夏の“真昼間”に聴きたくなるイージービートがフックのOWV流、初のサマー曲「Get Away」、M-2は夏の”夕暮れ”を感じさせるアコースティックギターが印象的なミッドバラード「twilight」、そしてM-3にはロービートが冴え渡る”熱帯夜”がモチーフのダンス曲「Bling Bling」を収録。
このシングルを通して「夏の1日を楽しんで過ごしてもらいたい」という気持ちを込めたシングルをスタンバイします。

引用:OWV 4th Single『Get Away』 2021年7月28日(水)発売決定! | NEWS | OWV OFFICIAL SITE

 

 

今回の4thシングルのクリエイティブコンセプトは「夏の一日」。

表題曲であるGetAwayから真昼間、Twilightの夕暮れ、BlingBlingの熱帯夜、とそれぞれ異なる時間帯の夏の一日の一幕を担う3曲が収録されています。

 

シングルをリリースする度にOWVのコンセプトの落とし込みに対するこだわりと巧みさに驚かされてきましたが、今回も楽曲の雰囲気だけでなく収録順で一日の流れをなぞることで「夏の一日」を表現している所に細かなこだわりを感じました。思えば2ndシングル「Ready Set Go」でも恋愛の始まりから終わりまでの流れを収録順で表現していたことからも一枚のCD作品内で時間の流れを感じさせるのはOWV楽曲の特徴の一つとして挙げてもいいのかもしれません。シャッフル再生が可能なサブスクや配信での音楽が主流になりつつある今、CDだからこその表現方法に強いこだわりを感じます。

 

その中でもGetAwayは上述したように夏の真昼に聴く夏曲。一般的に夏曲といえばテンションをあげてくれる眩しい太陽を感じるようなアッパーチューンが多く、それが夏らしさの一端のようにも思えますがところがどっこいOWVが夏という看板を高く掲げてお送りするGetAway、サウンドがゆったり涼やかで真夏のアッパー感が全然ないんですよね。

 

 

  • 「C'mon wild crazy sexy cool!」(0:08〜頃)

まずこの佐野文哉さんが歌うイントロ部分を聴いてみて欲しいんですが、ここはイントロで一番のフックになるパートであり、曲の始まり、つまり夏の始まりを告げるいわばこのGetAwayのストーリーテリング的なパートで最後の音が下がって余韻を残して終わるんです。OWV初のサマーソングである今作においてはきっと突き抜ける明るい音の方が”夏っぽさ”の演出になると思うんですが、ここだけでOWVの夏がただはしゃいで楽しむだけのものではないことが伝わってきます。

音が落ちて始まることでOWVの夏は太陽で照らされて輝く水面が眩しい夏ではなく、太陽光が乱反射して揺蕩う水底から水面を見上げているような涼し気で、それでいて一抹の憧れを伴った夏なんだと感じました。

 

 

また、GetAwayは一曲を通したリズムの刻み方が後ノリなのも特徴的な点として挙げられると思うんですが、これによってシティポップやチルホップっぽい小洒落た軽快な雰囲気の中にゆったりとした重厚感というか地に足のついた深みがある印象になるのかなと感じています。

インストバージョンを聴くと一番後ろで16ビートを刻んでいる音があって、その上にある別の音で2拍目4拍目を刻んでいたりするんですよね。しかも後ろの細かい音が左右に揺れたりもしていて、見え隠れする遊び心が憎い!大好きです。

 

ノリと深みに関して言えばWEBザテレビジョンの記事で浦野秀太さんが「ノリを大事に歌っている」「テンポ良く歌うとサビが軽くなりやすくて幼くなってしまうから深みを出すようにしている」(意訳)と語っていて、こんなにも表現している側の意識がストレートに聴いている側に伝わるものなんだなぁと驚きました。高い技術の出力方法が大正解過ぎて金メダルです。

OWV、“夏の一日”がテーマの新曲をリリース「イメージの幅を広げられたら」<インタビュー> | WEBザテレビジョン

 

 

ココが超スキ!②

小粋なギミック満載リラクシングリリック

 

OWV 3rdシングル『Roar』高い輝度で発光する唯一無二の魅力 - 発酵食品の日

 

前回の3rdシングル「Roar」についての記事で音の気持ちよさの理由として韻を踏む箇所の多さを書いたんですが、GetAwayでも聴いていて何だか気持ち良いなと感じたんですよね。またそれかよ~と思われるかもしれませんが、サウンドが心地よさの大きな流れを形作っているのは言わずもがなとして、やっぱり歌詞の細かく組み上げられた音の響きもGetAwayの最高ポイントだと思うんです。

ただ、前回のような母韻ではなくGetAwayは脚韻が多く用いられていて[e]で終わる言葉がとても多いんですよね。

本当に歌詞の最高さにひっくり返って起き上がれない。

 

サビに何度も繰り返されるGetAwayにフローが効かされていて[e]の印象が強く終わるのでそれだけで曲としてのノリがだいぶ良くなっているんですけど、歌詞中にしつこくなく散りばめられた脚韻がGetAwayの雰囲気にピッタリで音の気持ちよさに加えて小粋なオシャレさも増しているなぁと感じます。

あと、[e]で終わると口角が上がるので笑顔になる音で終わるところもすごくいいですよね。所々にある母韻も聴いていてすごく楽しいです。

 

[e:脚韻]

・GetAway×19

カリカリしないで・肌にして・抜け出して・夏空の下で・Be there・楽しもうぜ・Say year

・抱きしめて・Yeah・Yeah・いたって・出たって・超えて・気分次第で・しそうで・今を抱きしめて

 

あと、Aメロで本田康祐さんが歌う「面倒な This & that 先失礼します YADI YA YA」と中川勝就さんが歌う「たまには Just kick back 日常抜け出して」の部分が好きで好きで仕方なくて困っています。佐野さん浦野さんが歌う上2行はゆったりとした音が続くのに対してこの2行だけに小気味のいい促音が入っていてどこかこの曲にかけて走り出す助走のような印象を受けますし、歌い方も相まって絶妙なスパイスが効いていて聴く度にどっひゃ~~~となります。

 

 

ココが超スキ!③

”これまでのOWV“と”これからのOWV”が詰まった「おうちでGetAway」

 

今回、公式YouTubeチャンネルやTikTock等でGetAwayのプロモーションをするにあたり積極的に使われている「#おうちでGetAway」というタグ。コロナ禍における夏の過ごし方としてステイホームを推奨した楽しみ方を提示するのはこのご時世で言えば無難ともとれます。

ただ、おうちで夏を楽しむことに込められた“どこでも楽しめるよ”というメッセージにはOWVが歌うからこその説得力が詰め込まれているんだと思います。というのも、彼らのこれまでの道のりこそがその“どこでも”を物語っているんじゃないかなと感じていて。

 

OWVという名前こそまだ無かった2020年4月11日、後のOWVのリーダーである本田康祐さんのTwitterアカウントから「本田康祐・中川勝就・浦野秀太・佐野文哉」の4名でのグループ結成が発表された時、世の中は緊急事態宣言下で多くの人が自粛生活を強いられていました。

そんな中でファンが少しでも息苦しい自粛生活を、ステイホームを楽しめるようにと4人は「ほなうさラジオ(現在はファンクラブ内コンテンツ)」と題したラジオ番組をSNSで発信しだしました。

彼らが4人で踏み出した第一歩は文字通り”おうちの中から”だったんです。

自分たちをもっと知ってほしいとか、そういう機会としての意図もあったのかもしれないけれど、きっと一番大きかったのは「楽しんでほしい」という気持ちだったんじゃないかなと思うわけです。

 

そこから1stシングル「UBAUBA」を経てデビューしたOWVですが、デビュー以降なかなか思うような活動が出来なかったと本人達が語るように有人ライブをようやく開催出来たのは結成から1年後の2021年4月11日でした。

デビューしてから今に至るまできっと自分たちの意志ではどうしようもない理由でファンが知り得ない挫折や困難に直面してきたのだろうなと思うと同時にその経験をプラスに昇華して「#おうちでGetAway」として現実に寄り添う作品を作り上げたOWVの逞しさと柔軟さに憧憬の念を抱いたし、なんだか未来を保証されてしまったような気持ちになりました。

 

 

以前、雑誌のインタビューでの本田康祐さんの回答でインタビュアーさんの聞き方を含めて凄く好きなものがあって。

 

-こういう時代、思うように出来なかったことも多いと思います。でも逆に言えば、これからやれることの幅が広い。〜中略〜たくさん楽しみが待っているとも言えますよね。

「そうですね。タイミングが違っていたら、多分こんな風には思ってなかったかもなって。~中略~今の環境でどうしようって模索するなかで出てきた想いなので、プラスにしていけてるのかなって僕は思っています。」(MG[エムジー]No.4)

現状を受け止めて、その経験をプラスに持っていけるOWVの未来にはきっとたくさんの楽しみが待っているし、OWVならきっとその楽しみを待ちきれずに迎えに行っちゃうんじゃないかなと思わされます。

 

 

ココが超スキ!④

カップリングが強すぎる

 

シンプル。

 

これに関しては本当に「聴いてください!!!!!」しか言えないんですが、サブスク等ではCD発売に先がけて既に解禁されているので是非一度聴いてみてください。

夏の夕暮れを思わせる切なくもあたたかいTwilight、ジリジリとした熱帯夜が纏わりつくBlingBlingを聴いて、OWVが作り上げる最高の夏の一日をお過ごしください。

twilight

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  • OWV
  • J-Pop
  • ¥255

Bling Bling

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思うように外出も出来ない現状に寄り添って、どこでだって楽しめることを優しく伝えてくれるGetAwayにOWVの、そして私たちの明るく楽しい未来を見ました。

 

GetAway、いつもとひと味違う夏のお供に是非。

 

 

 

Get Away

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