OWV 5thシングル『You』が描く始まりの季節と背中を押す春の陽だまり

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吉本興業所属の4 人組ボーイズグループOWV(オウブ)が2022年3月9日に5thシングル「You」をリリースします。

昨年10月にリリースされた1stアルバム「CHASER」を経て、デビュー2年目を迎えたOWVが送るグループ初のミドルバラードを表題曲とした「You」。出会いと別れの季節に掲げる『始まり』のコンセプトに込められた優しくも力強く背中を押す春のエールソングすぎるので多くの人に聴いてほしい。届いてほしい。

 


そんなこんなで何処かしらで何かしらのきっかけになればいいなぁという思いで今回も個人的感想文の“ココが超スキ!!“ポイントを書き連ねていこうと思います。パワー!

 


 

ココが超スキ!!①

繰り返しリフが生むサウンドの奥行きと飽きない心地よさ

 

ゆったりとしたメロディと柔らかな音、そして広がりのある歌声にそこはかとなく心地よさを覚えるミドルバラードの「You」。

繰り返し聴いても飽きの来ないシンプルながらも拘り抜かれたサウンドが美しいなぁと思っているんですが、聴けば聴くほどに音が馴染んでいくような気がしていて。

 

 

それもそのはずMV公開前のティザー映像でも流れていたこのイントロ部分のリフ、楽曲のフルを聴いた時に驚きでひっくり返ってしまったんですが、イントロで柔らかくも暖かい世界観を表現した後も曲頭から最後に至るまでずっと同じリフが反復を続けているんです。

途中、曲の流れや盛り上がりに合わせて止まる部分はあれど一曲を通して殆どずっとリフが繰り返される曲ってそう多くはないと思うんです。

ロックやブルースでもない曲で、しかもギターリフでもないものでここまでリフがサウンドの主軸になっている曲は個人的に珍しい気がしますし、他のOWV楽曲においてもあまり見ないループスタイルなんじゃないでしょうか。

 

インストで聴くとよりその存在感に触れることが出来る「You」のリフですが、何度も繰り返されることでメロディを圧迫したりクドくなっているのかと思いきや、リフの後半に休符があることでメロディを圧迫しないどころか楽曲全体の奥行きと空間が増しているように感じられます。ずっと後ろで繰り返されているからメロディが変わってもシームレスに馴染んで、聴くほどに心地よさと味わいも深まります。


しかも3:16頃の「Wow My feelings are budding Wow My love is budding…」の間にはなんとコーラスでリフのラインが飛び出してくるんですが、終盤でこの演出は憎い展開すぎる。優勝です。

このドラマチックな展開で一気に叙情的な音の重なりが生まれて、クライマックス感と視界が開けたような爽快感を覚えます。

 

 

そして、一聴しただけでわかりますがこの「You」という曲、タイトルになっている同フレーズがサビの歌詞にもなっています。

シンプルなフレーズでありながらも、おそらくこの曲を聴いた多くの人の印象に残るのがこの”You~…"というフレーズなんじゃないかと思うんですが、単に”サビだから”、”繰り返し聴こえるから”という理由だけで耳を捉えているわけじゃないと思っていて。

“You~…”の語尾をメロディに沿って伸ばすのではなく、跳ねるように切り上げる特徴的な歌いまわしにすることで上がっていく音階と相俟って耳に残るキャッチ―さが生まれ、この短いフレーズを曲のフックたらしめているのではないかなと感じています。

 

また、全体的に音の深みと広がりを感じられる包容力のあるサウンドの中に小気味良く跳ねる音が入ることで春の軽やかさのような明るさが差し込んで素敵だなぁとも思いますし、跳ねさせつつも浮ついた印象を与えないように歌声で落ち着かせている確かな歌唱力に慄きました。しれっと凄いことをやってのけるOWVのハイパフォーマンスお家芸ですね。

 

 

 

ココガスキ!②

繊細な心の移り変わりを描く自然さ

 

そしてなんといっても「You」、全文を載せて一行ずつ朗読会したいほどに歌詞の繊細さと表現の美しさが半端ない。

 

季節の芽吹き(始まり)である"蕾"をモチーフにし、気持ちと季節の始まりを表現した、OWV表題曲では初のミドルバラード曲「You」

引用:https://owv.jp/news/211


という通り、歌詞からもその表現を感じることが出来ます。

心情の比喩として蕾が登場するのは勿論、タイトルにもなっている「You」は曲中で「sunshine」「日差しのように暖かい笑顔」と何度も太陽に例えられており、心の機微や存在を自然のもので表現する美しさが随所に溢れていて何とも瑞々しい曲だなぁと感じますし、比喩を多用することで歌詞に余白が生まれ、受け取り方の幅も広がるのがよりメッセージ性を高めていて聴く人が増えるほどに曲の豊かさも増すのだろうなとも思わされます。豊穣。

 

なんでそんなに明るく笑うの?

不意を突かれて I smiled

鍵をかけていた heart 扉開けてしまった

気づいたらほら君を探してる

 

上の歌詞のように冒頭での受動的な態度から曲中で能動的に変化を求めるまでの心情の機微を表現する繊細さも凄くて。

自分に起こっている変化はまだ「You」からただ与えられたもので自分の意思とは無関係という認識の上記1番冒頭、自分の心に何かが芽生えていることにはじわじわと気づきつつもまだ進むことには臆病な1番サビの「側にいたい〜期待してしまいそう」。変わりたいという想いを胸に地を蹴った2番サビ前の「ふくらむ想いが咲きそうで僕は君の元へと駆け出した」。


月日が過ぎるたび、という歌詞の通りゆっくりとでも確実に変化していく心情表現に唸るしかなくて、本当に一言ずつ取り上げていきたいくらい気持ちが細かく散りばめられた繊細な歌詞だなぁと思います。

 


そして最終的にはサビの最後に「始まりの予感を握りしめて」とあるように心に何かが芽生えたのは太陽であるYouに巡り合えたからだけど、あくまでも最後の一歩、その手を開いて花を芽吹かせるのは自分自身の力だという『始まり』に対する見方と背中を押す力に胸がいっぱいになり、鼓舞された気持ちになります。

 

「君と出会えた今があるから 過去の全てが愛しくなった」という歌詞も本当に好きなんですが、愛せなかった過去すらも変えることの出来る“今“の尊さと可能性に胸が苦しくなりました。

 

 

 

ココが超スキ!!③

真っ直ぐな想いを拾い上げるコンセプト

 

OWVはシングル毎にクリエイティブコンセプトが設定されていますが、ここまで何度も書いているように今回の5thシングルにおけるコンセプトは『始まり』。

この『始まり』というコンセプト、過去の『破壊と創造』、『色気』、『野公子』、『夏の一日』と比べてみるとよりコンセプチュアルなものに寄っている気がします。(こうして並べて見ると改めて野公子の異質さが光り輝いていますね。)

 

OWVの過去のインタビューやライブでのコメントを思い返すとこれまでのコンセプトに対しても、曲が持つ意味以上に間口を広げてより多くの人へエールや想いを届けようとする姿勢を感じていましたが、概念的な要素が大きく打ち出されている今作においてはコンセプトに包含され得るすべての『始まり』に直面する人の背中を押したいという強い気概を感じます。

 

いつも「皆の背中を押したい」「心の拠り所になりたい」「辛い時にはOWVを思い出してほしい」と受け止める両腕からこぼれ落ちてしまいそうなほどに沢山のメッセージを時にはパフォーマンスを通して、時には言葉で届けてくれるOWVの一貫した「誰かの背中を押すため」という想いが顕著に表れているのが今回のコンセプトなのかなと感じています。

 

ココが超スキ!!④

カップリングが表題曲の顔をしている

 

これはもう本当に聴いてくださいの一言に全てを込めます。

聴いてください!!!!!!!

 

カップリングが2曲ともめちゃくちゃ表題曲の顔してるんです。

この2曲がカップリングになるOWVの持ち曲、恐ろし過ぎる。

 

サブスクでも配信されているので是非。

Sound the Alarm

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  • OWV
  • J-Pop
  • ¥255

TALK TALK TALK

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  • OWV
  • J-Pop
  • ¥255

 

YouTubeのInformation Videoでも少し聴けるので気になった方はそちらも見てみてください。

 

 

これまでいくつもの季節をOWVと共に過ごしてきた人、そして今作で初めてOWVに出会った人に暖かな春の訪れを告げる「You」が新たな始まりへと向かう誰かの背中を押す陽だまりとして多くの人に届きますように。

 

 

 

 

You

You

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  • ¥255


 

OWV 4thシングル『GetAway』を聴いて快哉を叫ぶ夏に未来がある

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吉本興業所属の4人組ボーイズグループOWV(オウブ)が2021年7月28日にリリースする4thシングル「GetAway」がこのご時世、思うように外出も出来ず”夏の楽しみ”を感じ取れずに日常を生き抜く全ての人に贈りたい最高サマーソングすぎるので今回も個人的”ココが超スキ!”ポイントを書いていこうと思います。

 

今年の夏はOWVのGetAwayを聴いて最高サマー間違いなし!パワー!

 

 

 

ココが超スキ!①

アッパーすぎない涼やかな夏色おしゃれサウンド

 

今回のシングルクリエイティブコンセプトは“夏の一日”。
M-1には夏の“真昼間”に聴きたくなるイージービートがフックのOWV流、初のサマー曲「Get Away」、M-2は夏の”夕暮れ”を感じさせるアコースティックギターが印象的なミッドバラード「twilight」、そしてM-3にはロービートが冴え渡る”熱帯夜”がモチーフのダンス曲「Bling Bling」を収録。
このシングルを通して「夏の1日を楽しんで過ごしてもらいたい」という気持ちを込めたシングルをスタンバイします。

引用:OWV 4th Single『Get Away』 2021年7月28日(水)発売決定! | NEWS | OWV OFFICIAL SITE

 

 

今回の4thシングルのクリエイティブコンセプトは「夏の一日」。

表題曲であるGetAwayから真昼間、Twilightの夕暮れ、BlingBlingの熱帯夜、とそれぞれ異なる時間帯の夏の一日の一幕を担う3曲が収録されています。

 

シングルをリリースする度にOWVのコンセプトの落とし込みに対するこだわりと巧みさに驚かされてきましたが、今回も楽曲の雰囲気だけでなく収録順で一日の流れをなぞることで「夏の一日」を表現している所に細かなこだわりを感じました。思えば2ndシングル「Ready Set Go」でも恋愛の始まりから終わりまでの流れを収録順で表現していたことからも一枚のCD作品内で時間の流れを感じさせるのはOWV楽曲の特徴の一つとして挙げてもいいのかもしれません。シャッフル再生が可能なサブスクや配信での音楽が主流になりつつある今、CDだからこその表現方法に強いこだわりを感じます。

 

その中でもGetAwayは上述したように夏の真昼に聴く夏曲。一般的に夏曲といえばテンションをあげてくれる眩しい太陽を感じるようなアッパーチューンが多く、それが夏らしさの一端のようにも思えますがところがどっこいOWVが夏という看板を高く掲げてお送りするGetAway、サウンドがゆったり涼やかで真夏のアッパー感が全然ないんですよね。

 

 

  • 「C'mon wild crazy sexy cool!」(0:08〜頃)

まずこの佐野文哉さんが歌うイントロ部分を聴いてみて欲しいんですが、ここはイントロで一番のフックになるパートであり、曲の始まり、つまり夏の始まりを告げるいわばこのGetAwayのストーリーテリング的なパートで最後の音が下がって余韻を残して終わるんです。OWV初のサマーソングである今作においてはきっと突き抜ける明るい音の方が”夏っぽさ”の演出になると思うんですが、ここだけでOWVの夏がただはしゃいで楽しむだけのものではないことが伝わってきます。

音が落ちて始まることでOWVの夏は太陽で照らされて輝く水面が眩しい夏ではなく、太陽光が乱反射して揺蕩う水底から水面を見上げているような涼し気で、それでいて一抹の憧れを伴った夏なんだと感じました。

 

 

また、GetAwayは一曲を通したリズムの刻み方が後ノリなのも特徴的な点として挙げられると思うんですが、これによってシティポップやチルホップっぽい小洒落た軽快な雰囲気の中にゆったりとした重厚感というか地に足のついた深みがある印象になるのかなと感じています。

インストバージョンを聴くと一番後ろで16ビートを刻んでいる音があって、その上にある別の音で2拍目4拍目を刻んでいたりするんですよね。しかも後ろの細かい音が左右に揺れたりもしていて、見え隠れする遊び心が憎い!大好きです。

 

ノリと深みに関して言えばWEBザテレビジョンの記事で浦野秀太さんが「ノリを大事に歌っている」「テンポ良く歌うとサビが軽くなりやすくて幼くなってしまうから深みを出すようにしている」(意訳)と語っていて、こんなにも表現している側の意識がストレートに聴いている側に伝わるものなんだなぁと驚きました。高い技術の出力方法が大正解過ぎて金メダルです。

OWV、“夏の一日”がテーマの新曲をリリース「イメージの幅を広げられたら」<インタビュー> | WEBザテレビジョン

 

 

ココが超スキ!②

小粋なギミック満載リラクシングリリック

 

OWV 3rdシングル『Roar』高い輝度で発光する唯一無二の魅力 - 発酵食品の日

 

前回の3rdシングル「Roar」についての記事で音の気持ちよさの理由として韻を踏む箇所の多さを書いたんですが、GetAwayでも聴いていて何だか気持ち良いなと感じたんですよね。またそれかよ~と思われるかもしれませんが、サウンドが心地よさの大きな流れを形作っているのは言わずもがなとして、やっぱり歌詞の細かく組み上げられた音の響きもGetAwayの最高ポイントだと思うんです。

ただ、前回のような母韻ではなくGetAwayは脚韻が多く用いられていて[e]で終わる言葉がとても多いんですよね。

本当に歌詞の最高さにひっくり返って起き上がれない。

 

サビに何度も繰り返されるGetAwayにフローが効かされていて[e]の印象が強く終わるのでそれだけで曲としてのノリがだいぶ良くなっているんですけど、歌詞中にしつこくなく散りばめられた脚韻がGetAwayの雰囲気にピッタリで音の気持ちよさに加えて小粋なオシャレさも増しているなぁと感じます。

あと、[e]で終わると口角が上がるので笑顔になる音で終わるところもすごくいいですよね。所々にある母韻も聴いていてすごく楽しいです。

 

[e:脚韻]

・GetAway×19

カリカリしないで・肌にして・抜け出して・夏空の下で・Be there・楽しもうぜ・Say year

・抱きしめて・Yeah・Yeah・いたって・出たって・超えて・気分次第で・しそうで・今を抱きしめて

 

あと、Aメロで本田康祐さんが歌う「面倒な This & that 先失礼します YADI YA YA」と中川勝就さんが歌う「たまには Just kick back 日常抜け出して」の部分が好きで好きで仕方なくて困っています。佐野さん浦野さんが歌う上2行はゆったりとした音が続くのに対してこの2行だけに小気味のいい促音が入っていてどこかこの曲にかけて走り出す助走のような印象を受けますし、歌い方も相まって絶妙なスパイスが効いていて聴く度にどっひゃ~~~となります。

 

 

ココが超スキ!③

”これまでのOWV“と”これからのOWV”が詰まった「おうちでGetAway」

 

今回、公式YouTubeチャンネルやTikTock等でGetAwayのプロモーションをするにあたり積極的に使われている「#おうちでGetAway」というタグ。コロナ禍における夏の過ごし方としてステイホームを推奨した楽しみ方を提示するのはこのご時世で言えば無難ともとれます。

ただ、おうちで夏を楽しむことに込められた“どこでも楽しめるよ”というメッセージにはOWVが歌うからこその説得力が詰め込まれているんだと思います。というのも、彼らのこれまでの道のりこそがその“どこでも”を物語っているんじゃないかなと感じていて。

 

OWVという名前こそまだ無かった2020年4月11日、後のOWVのリーダーである本田康祐さんのTwitterアカウントから「本田康祐・中川勝就・浦野秀太・佐野文哉」の4名でのグループ結成が発表された時、世の中は緊急事態宣言下で多くの人が自粛生活を強いられていました。

そんな中でファンが少しでも息苦しい自粛生活を、ステイホームを楽しめるようにと4人は「ほなうさラジオ(現在はファンクラブ内コンテンツ)」と題したラジオ番組をSNSで発信しだしました。

彼らが4人で踏み出した第一歩は文字通り”おうちの中から”だったんです。

自分たちをもっと知ってほしいとか、そういう機会としての意図もあったのかもしれないけれど、きっと一番大きかったのは「楽しんでほしい」という気持ちだったんじゃないかなと思うわけです。

 

そこから1stシングル「UBAUBA」を経てデビューしたOWVですが、デビュー以降なかなか思うような活動が出来なかったと本人達が語るように有人ライブをようやく開催出来たのは結成から1年後の2021年4月11日でした。

デビューしてから今に至るまできっと自分たちの意志ではどうしようもない理由でファンが知り得ない挫折や困難に直面してきたのだろうなと思うと同時にその経験をプラスに昇華して「#おうちでGetAway」として現実に寄り添う作品を作り上げたOWVの逞しさと柔軟さに憧憬の念を抱いたし、なんだか未来を保証されてしまったような気持ちになりました。

 

 

以前、雑誌のインタビューでの本田康祐さんの回答でインタビュアーさんの聞き方を含めて凄く好きなものがあって。

 

-こういう時代、思うように出来なかったことも多いと思います。でも逆に言えば、これからやれることの幅が広い。〜中略〜たくさん楽しみが待っているとも言えますよね。

「そうですね。タイミングが違っていたら、多分こんな風には思ってなかったかもなって。~中略~今の環境でどうしようって模索するなかで出てきた想いなので、プラスにしていけてるのかなって僕は思っています。」(MG[エムジー]No.4)

現状を受け止めて、その経験をプラスに持っていけるOWVの未来にはきっとたくさんの楽しみが待っているし、OWVならきっとその楽しみを待ちきれずに迎えに行っちゃうんじゃないかなと思わされます。

 

 

ココが超スキ!④

カップリングが強すぎる

 

シンプル。

 

これに関しては本当に「聴いてください!!!!!」しか言えないんですが、サブスク等ではCD発売に先がけて既に解禁されているので是非一度聴いてみてください。

夏の夕暮れを思わせる切なくもあたたかいTwilight、ジリジリとした熱帯夜が纏わりつくBlingBlingを聴いて、OWVが作り上げる最高の夏の一日をお過ごしください。

twilight

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  • OWV
  • J-Pop
  • ¥255

Bling Bling

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  • OWV
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  • ¥255



 

 

思うように外出も出来ない現状に寄り添って、どこでだって楽しめることを優しく伝えてくれるGetAwayにOWVの、そして私たちの明るく楽しい未来を見ました。

 

GetAway、いつもとひと味違う夏のお供に是非。

 

 

 

Get Away

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  • ¥255

 



 

 

 

 

 

 

OWV  3rdシングル『Roar』高い輝度で発光する唯一無二の魅力

 

 

吉本興業所属の4人組ボーイズグループ「OWV(オウブ)」が2021年3月31日にリリースする3rdシングル「Roar」があまりにも生身の人間を感じる泥臭さとアーティストとして洗練された魅力が詰まったハイブリッドなソウルフルソングすぎるのでとにかく多くの人に届いてほしい!聴いてほしい!

 

なのでRoarを聴いて思う超個人的“ココガスキ!”ポイントを抑えきれない興奮と共に書いていこうと思います。パッション。

 


 

 

ココガスキ!①

【気持ち良さとストーリー性が同居する脳内麻薬リリック】

 

Roar、とにかく聴いていて耳に気持ちいい音がずっと続く。

楽曲のフル公開当初はシンプルに曲のかっこよさが好きだなぁと思って繰り返し聴いていたんですけど、何度聴いても飽きとクドさが出てこないことが少し不思議で。なんならループで聴くとなんか気持ちいいぞ?と思っていたら韻がそこかしこで踏まれていてひっくり返りました。

 

以下、見逃しもあるかと思いますが歌詞の一部です。

 

Making my way Making my way 

ei(n)aei  ei(n)aei                            

狙え Three two one

eae ui u a(n)

I'll never stop I'll never stop

aeia uau aeia uau

鎖さえ Can't hold me down

uaiae a(n) oui a(n)

Unchained 明日は俺が決める

a(n)ei(n)  aua oea ieu

道がないなら作れ

iia aiaa uue

Judgy な Eyes 気にしない

aia ai iiiai

自分次第なら I will keep on

iu(n)iaiaa ai io(n)

燃やせ Fire 'Cause I'm a fighter

oae aia oaa aia

どんな言葉が縛ろうとしても

o(n)a ooaa iaouoieo 

Yeah yeah so 飼い慣らされない Lion

ei ei o  aiaaaeai aio(n)

野生のように 自分にしか進めない道を

aeio oui iu(n)iia uueai iio

I’m a lion I’mma roar

aaai aa oa

I’m a li- I’m a lion roar

aaai aaai aaoa

I’m a lion I’mma roar

aaai aa oa

I’m a li- I’m a lion roar

aaai aaai aaoa

I’m a lion I’mma roar

aaai aa oa

 

 

・「Making my way」「I 'll never」「Unchain明日は」 ⇒ eia

・「狙え」「鎖さえ」 ⇒ ae

・「one」「down」「keep on」 ⇒ an

・「俺が決める」「作れ」 ⇒ eu

・「道がないなら」「自分次第なら」「飼い慣らされ」「lion I’mma」 ⇒ aiaa

・「Judgy」「Eyes」「気にしない」「されない」「進めない」「Lion」「I’m a li」 ⇒ ai

・「燃やせ」「’Cause I」 ⇒ oa

・「Fire」「fighter」 ⇒ aia

・「yeah so」「野生の」 ⇒ eio

・「Lion」「道を」 ⇒ io

 

 

このあともひたすら気持ちよさの最適解みたいな音がバンバン繰り出されてくるんですけど、恐らくその全てが狙って組み上げられているんですよね。わかりやすく同じ音が続くところはアタックを強めにしてインパクトを残し、一行前の歌詞の音に合わせて語尾を敢えて弱くしたり音をひねったりするフロウを効かせるっていう技を高い温度を保ったまま出す技術がすごい。

音楽雑誌等のインタビューでそれぞれが「動物的な熱さでこれからのし上がっていくぞという気持ちが込められている曲」としてRoarについて語っているんですが、なりふり構わない動物的な勢いの中にしれっとめちゃくちゃなテクニカル歌唱をぶち込んでくるので脳みそが溶けました。

 

 

 

そしてサビではI'm a lion I'mma roar…と同じ歌詞が続くことで楽曲に込められた強い意志を強調すると共にサウンドを主役に押し上げるという3rdシングルにしては挑戦ともとれる音の構成からOWVの練られた胆力を感じられて、音楽に対する拘りを真っ向から突きつけられた気がしました。

 

こういったサウンドに沈み込むような歌詞の引き算の仕方にも本当に拍手喝采なんですけど、引き算だけで終わらせずに伝えたいメッセージもしっかり盛り込まれていて。

 

例えば初っ端の『Making my way Making my way 狙え Three two one』に始まり、『道がないなら作れ』『自分にしか進めない道を』と“道”にスポットライトが当てられた歌詞が何度か出てくるんですが、これもOWVというグループ名に込められた“Our only Way to get Victory~勝利を掴む僕たちだけの道~ 誰にも真似することのできない唯一無二のグループとなり、この世界で勝利を掴む”というメンバーの『唯一無二の道』に対する強い想いが反映されているんですよね。こうした曲解させる隙を与えないストレートな歌詞に込められた想いはド直球で響きます。シンプル is ベスト。

 

 

そして他にもこれまでにリリースされた楽曲の歌詞がオマージュ的に盛り込まれているという何とも憎いギミックが仕込まれている点にも膝を強く打ってしまいますし、デビュー当時からグループとしての姿勢が一貫されているOWVの骨太さを感じます。

 

「UBAUBA」(デビューシングル)

・燃え尽きないfire

・逃げないよ I'm a fighter

 

「Roar」

・燃やせ Fire 'Cause I'm a fighter

 

 

「Ready Set Go」(2ndシングル)

・Ready Set Go Ready Set Go Go

 

「Roar」

・Ready Set Go 駆け抜けろ

 

2ndシングルでリリースされた「Ready Set Go」の最後がReady Set Go…という号砲の言葉で終わっていて、物語が動き出す直前の膝を曲げた状態で曲が終わるのも面白いなぁと思っていたんですが、今回の3rdの終盤で遂に駆け出していてこんな伏線の回収の仕方あり……?と思いました。グループ結成から今まで培ってきたもの全てが今、一斉に飛び出して駆け出す様が熱すぎるし、ずるすぎる。

 

 

全編通してまるごと“OWVが歌うからこそのメッセージ”が詰め込まれていて、ファンが聴くとこれまでの4人の道のりとこれから続いていく道のりが楽曲に重なって奥行きがグッと生まれるところに胸が熱くなります。

 

 

 

ココガスキ!②

【随所に響く攻撃の音】

 

このRoar、サビに銃の撃鉄を起こすような、装填しているような『カチャッ』という音が入っているんです。純度100%の攻撃を連想させる音。

ただ、銃声とか攻撃そのものの音ではなく攻撃の準備の音を入れるところがまた憎いほどかっこいいな!と思いました。MVでは猛々しく炎の中で咆哮を上げている人達がサビで爪を研ぎながら静かに攻撃する機会を窺ってるんですよ。控えめに言ってもこわすぎるし、直後にきこえる百獣の王の咆哮。あっ死んだ、と思いました。

 

曲の中でもこの『カチャッ』という硬い音、異質さを放っているんですけどその硬い異質さが音楽としてもめちゃくちゃ活かされているなぁとも思っていて。

というのもサビの音の流れがほんの少し沈む瞬間に銃の音が入れ込まれている気がするんです。それまでの音の流れを1度断つことで、その後に緩急が生まれて同じ歌詞が続く音サビの表情をさらに豊かにするというオールラウンダーサウンド・・・。

急に銃を突き付けられたら誰でもビビります。

 

そして銃の音以外にも攻撃性を含んだ音として”ライオンの咆哮”、MVでは“炎が燃える音”が入っています。ライオンの声は音源でも入っているんですが炎の音はMVのみとなっています。音源を聴いて音が入っていないことに驚いたくらい、炎の音が曲の世界観を強めているのでMVとサブスク等で解禁されている音源、どちらも聴いてみてほしいです。

 

 

この曲自体の位置付けがOWVがこれから更にギアを入れて駆け上がるという意思表明だと思っているので、そこに人類が発展するのに必要不可欠だった“火”と競争社会の中で武器として扱われた“銃”、そして百獣の王であるライオンの”咆哮”の音が入っているところが最高火力の強気な姿勢で良いなと思いました。

 

 

 

ココガスキ!③

【作り込まれた世界観と残された余白】

 

デビューシングル「UBAUBA」は“破壊と創造”、2ndシングル「Ready Set Go」は“色気”、とリリースする曲にそれぞれコンセプトが設定されていてOWVってコンセプチュアルな世界観を表現する力が凄いなと思っているんですが、なんと今回もコンセプト、設定されています。

 

それが「野公子」

 

3rdシングルのクリエイティブ・コンセプトは「野公子」。”野生感”と”貴公子”を織り交ぜた唯一無二のスタイルを楽曲で表現しています。(2021年3月31日発売3rdシングル「Roar」“野生感”と“貴公子”を織り交ぜた唯一無二のスタイル“野公子(やこうし)”コンセプトの新ビジュアル公開! | NEWS | OWV OFFICIAL SITE

 

やこ………なんて?

 

 

 

ただ、何度か曲を聴いているうちに相対値としての“唯一無二”ではなく絶対値としての“唯一無二”を打ち出してきた結果が”野公子”なのかなと思いました。まずスタート位置から他と一線を画してきたのか、と。完全I’m originalな姿勢が造語をコンセプトにしてしまうところからも漏れ出ています。

 

そしてMVを見て思うわけです。こりゃ唯一無二完全I’m original野公子だわ。

 

 

 

ライオンのような動きが随所に盛り込まれている低重心の野性的なダンスと、ふとした時の表情や手の動きから見て取れる気高さに”野公子”を感じます。野公子、それは宇宙。考えるな、感じろ。

 

 

 

 

そんなコンセプトが徹底して表現されている「Roar」ですが、YouTubeでのMV公開直前生配信でOWVのリーダー・本田康祐さんがMVと楽曲、ダンスについて「自由な解釈で楽しんでね」という旨の発言をしていたんです。これ、作品をしっかり作り込んでいる自負がないと出てこない言葉だなぁと思いましたし自分達の作品に自信があるんだなぁと感じました。その上で敢えて余白を残すことで受け取り手の楽しみ方の幅を広げる余裕を見せてくる所がアーティストとしてかっこよすぎる。爆信頼。

 

そしてこれ幸いと自由な解釈を楽しんだ結果がこのツイートです。はしゃぎ倒してますね。

 

 

この一連のツイートについてもいつか別記事でまとめられたらいいなぁと思っています。

 

 

 

 

 

 

情報過多ってくらいに全力で盛りに盛られた「Roar」、グループ結成から2年目を迎えようとしているOWVが今起こせる最大瞬間風速ですべての可能性を巻き上げている姿がそのまま詰め込まれた熱い曲です。

 

OWVの生身の人間を感じる篤実な魅力とアーティストとしての洗練された魅力、それぞれが高い輝度で発光する3rdシングル「Roar」、是非聴いてみてください。

 

 

 

Roar (通常盤)

Roar (通常盤)

  • アーティスト:OWV
  • 発売日: 2021/03/31
  • メディア: CD
 

 



 

Roar

Roar

  • OWV
  • J-Pop
  • ¥255